結論を言うと、ピストルズの『勝手にしやがれ!』と、ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』こそが唯ニ、「パンク」を名乗る資格を有するアルバムだと思う。
そもそも、「パンク」なるジャンルが存在すること自体、おかしいと俺は思う。というのも本来、「ロック」は「パンク」だからだ。いつからか「ロック」と「パンク」が別々に語られるようになったが、それはたぶん、「ロック」が商業化されて、去勢されて、オカマみたいになってしまったからで、もし「ロック」が本来の姿であり続けていたとしたら「パンク」なんて言葉は生まれなかったはずで、でも現実問題、「ロック」はじゃんじゃんじゃんじゃん堕ちていって、そんな中、緊急、「パンク」なる新たな言葉を生まざるを得なかった人々の会議録はたぶんこんな感じだったんじゃないかと思う。「もう「ロック」はあてにならん!あれは今やインポ野郎のやる音楽だ!だから何か別のもの...何でもいい。とりあえずまずは我々が新たに立ち上げようとしている「これ」の名前から決めようではないか、諸君。適当に決めようではないか、諸君。え?パ・ン・ク?それいいねえ!なんかいいねえ。ようわからんけどいいねえ。よし、じゃ、金輪際「パンク」だ!」
だから、「ロック」はあの『勝手にしやがれ!』が発表された年、俺が生まれた1977年に一度「見捨てられた」んだと思う。「このオカマインポ野郎が!」って。
で、話を冒頭に戻して、なぜピストルズの『勝手にしやがれ!』とニルヴァーナの『ネヴァーマインド』こそが唯二、「パンク」を名乗る資格を有するアルバムだと言えるのかと言うと、この二枚こそが「ロック」を確実に、しかも一撃で覚醒させた「ロック」に対する「目ぇ覚ませやコラァ!」だったからで、そんなアルバムはこの二枚以外にはどこをどう探しても見当たらないからである。
というわけで、要するに俺が何を言いたいのかと言うと、俺にとって「パンク」というものはいつの時代も「ロック」に対する「ロック」じゃなきゃいけないということで、「ロック」に喝を入れようとするものじゃなきゃいけないということで、もしそれができんと言うのなら「パンク」などと絶対に名乗らさんし、呼んだらんぞボケ!ということなのです。
わかる?
パンク論
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