昔、バンドをやってた時、とあるバンドマンに言われて驚いた一言がある。
「一憩さんはアレですね。名曲志向のソングライターですね」と言われたのである。
たぶん誉め言葉だ。有り難い。有り難いがそれにつけても「名曲志向」ってなんじゃそら。ソングライターってみんなそうじゃないのか?じゃ、なんだ、お前は、お前らは曲を書こうと思ってギターを抱いた時に「よし、じゃ今日はシングルのB面にぎりぎり使えそうな佳曲を書こう」みたいなことを思うのか?そんなことでは結句、佳曲も創れんだろうし、そんなことでは絶対に俺には勝てんぞ、と思っていたのである。実際、彼が書いた曲で、俺の曲より良いものは一曲としてなかったと思うし、彼が自作の曲を歌った際に、俺が俺の曲を歌う時と同じくらい感情を込めて歌えているのかと言うとこれもまた完全にNOで、彼は実に中途半端な出来の曲を、撫でるようにギターを弾きながら、口先から声を出して歌っていた。割には人一倍、態度がデカかった。
あれから何年経ったろう。彼は今でも現役バリバリで、俺は半引退、何が何だかよくわからないことになってしまっている。
気付けば、完全に負けてしまっていた。
継続は威なり
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