落語が大好きだ。10代の頃から好きで、たぶん「生理的」に好きで、今でもTVで落語をやってると眼球が画面にへばりついて離れない。
施設で夜勤をやってる時、自分以外には誰もいない暗いフロアで誰が観るでもなくTVがついていたが、この時に落語番組が始まると本当に大変、まさに「苦悩」だった。仕事をしなきゃいけない。書き物をしなきゃいけない。入れ歯の入った容器にポリデント的なものを入れていかないといけない。コールが鳴ればすぐに駆け付けなきゃいけない。でも、でもでもでも、目の前に米朝師匠。見逃すわけにはいかない。しかしながらここは一発、気合い的なものを遺憾なく発揮してこれを潔く見逃さなきゃいけない...苦悩だった。
写真は天神橋筋商店街にある寄席小屋『繁昌亭』で、確か数年前、桂三枝師匠が中心となって立ち上げた小屋。いつか行きたい。いつか行きたい。とは思い続けているが、実際にはまだ行ったことがない憧れの場所。
もしここにあの笑福亭福笑師匠が出るようなことがあれば、俺はなにがなんでも駆け付ける。あなたはご存知?福笑師匠。アル中のヤクザみたいな風貌で、古典よりも創作を得意とする落語家さん。めちゃくちゃシュールなネタを書く人で、例えば「タイムスリップ」みたいな普通落語には持ち込まんだろう題材を躊躇なく持ち込んで創作。客の頭の中の時間の概念を崩壊させつつ、小屋全体を大爆笑の渦に巻き込むという、もの凄い人。俺は初めてこの人のこのタイムスリップネタを観たとき「松本(人志)より凄いのがおる!」と思った。
松本人志なり、町田康なり、福笑師匠なり、こういう素敵に歪んだ感性の持ち主、天才奇才が世の中にはちゃんといて、表現ということをしているという事実が俺はめちゃくちゃ嬉しい。
憧れの場所、憧れの人
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