暗闇に足音。
「結構長いこと歩いてるけど、俺は本当に出口...っていうか、来た方向を背にして真っ直ぐ歩いて来れてるんだろか。途中、何度かリュックを枕代わりにして寝たけど、もし寝て起きるたびに身体の向きが変わってたとしたら、俺は永遠にここから出られないじゃないか。ってあれ?自信がなくなってきたぞ。確かに出口はこっちのはずなんだけど...あれ?違う?違うか?違うかもしれないな。ど、どうしよう...。ま、百歩譲って、永遠にここから出られないってパターンならまだいい。笑えなくもないし、笑えなくもないんだから許せなくもないような気がしないでもない。自分自身をね。ただ、最悪なのはもうひとつのパターン。光らしきものが見えて、見えた気がして、「出口だあ!」と叫んで飛び出したら振り出しに戻ってた...って場合。これは最悪だ。本当に最悪だ。笑うに笑えないし、笑うに笑えないんだから許すに許せないような気がしないでもない。自分自身をね。って、ところでそこの君、この「自分自身をね」ってフレーズ、かなり面白いと思わない?繰り返せば繰り返すほどに面白いよね。相当面白いよ。え?やっぱり君もそう思う?これがいわゆる「鉄板」っちゅうやっちゃね。じゃ、今後はジャンジャン売り出していかんとイカンねえ!自分自身をね...」
暗闇に足音。そして涙。
トンネルマン1号
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