私は奴を、和田一憩を、完全に吸収してしまえたらなあ、吸収してやれたらなあと思う。私の方が奴よりも断然、強いからだ。
奴は口癖のように「生きにくい」と言い、私は私で口癖のように「いつまでもアンタの影は嫌だ」と言い、このサイコロステーキよりも小さく狭い世界の中で喧嘩が絶えなかった。
私はいつだったか奴がこのブログに「山の天気は変わりやすい。が、一つ屋根の下の天気はもっと変わりやすい」という文章を寄せたことを知っている。私はものすごく側にいながら、寄せることに反対しなかった。私には無縁のこと、奴にとって外的なことを書いていると思ったからだ。
「ひょっとして私とのことを言ってる?」気付いたのは、彼が彼ではなくなってしまってからのことだった。
阿仁真里の嘆き
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